生物種の絶滅について

私たちが住むこの地球には、多種多様な生物が存在しています。地球上に生物が何種類いるのか、正確な数字はわかっていません。しかし少なくとも800万種以上存在するという予測があります。また昆虫だけで3,000万種以上、生物全体では億を超える種類が存在するという予測もあります。いずれにしても、現在発見され分類されている生物はおよそ125万種といわれていますから、未発見の生物を含め地球には数多くの生物が存在しているわけです。

数十億年という地球の歴史の中で、現在いる地球上の生物は絶滅期を乗り越えてきました。例えば二畳紀には生物の9割が絶滅したと考えられています。ご存知のとおり、白亜紀には恐竜を始め7割以上の生物が絶滅したわけです。いいかえれば、現在地球上に存在する生物は、こうした危機を乗り越えてきた生物たちです。

しかし現在、生物種の絶滅はかつてないペースで進んでいます。現在、哺乳類の25%、鳥類の10%以上の生物種が絶滅の危機にさらされています。未発見の生物も含めると、年間数万種の生物が絶滅していると予測する研究もあるほどです。生物の9割が絶滅した二畳紀や、恐竜が絶滅した白亜紀のペースより、はるかに深刻な速度です。二畳紀や白亜紀の絶滅期は、地殻変動や気候変動などが原因でした。しかし現在の絶滅期の特徴は、環境破壊が主な原因となっているのです。

環境破壊は、特定の種類の生物だけでなく、その種の生物が関係する生態系全てに影響を与えます。つまり根こそぎ絶滅してしまうのです。例をあげましょう。森林破壊が行われると、そこに生息していた生物全てが絶滅の危機にさらされます。森をすみかとする哺乳類のオオカミやウサギ、クマなどです。森林破壊が進むと、土壌に水分を蓄えておくことができなくなり、赤土などが川に流出し、海に流れ込みます。すると今度はサンゴや魚、イソギンチャクといった生物まで絶滅の危機にさらされてしまうのです。

生物種の絶滅の原因となっているのは、森林破壊だけではありません。地球温暖化による気温や海水温の上昇、ごみの埋め立てによる土壌汚染、オゾン層破壊による紫外線量の増加など、多種多様の原因があります。これらは全て、人間の経済活動の結果といえるでしょう。しかし人間は地球上の生物と共存しなければ、生きていくことは不可能です。自分で自分の首を締めないためにも、私たち人類は生物種の絶滅の原因を減らすべく、一人ひとりが意識していく必要があります。

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