地球の温度は、産業革命からじわじわと上昇していると報告されています。しかし現在、地球温暖化はかつてないペースで進んでいます。国連の機関の研究によると、これまでの100年で地球の温度は0.5度上昇したと考えられています。同じ研究によると、地球はこれからの100年で最大6度以上の温度上昇が見込まれると予測されているのです。実に10倍以上のペースの地球温暖化が見込まれているわけです。
急激な地球温暖化は、環境に大きな影響を及ぼします。温暖化が進むと、降雨量に変化が生じます、このためゲリラ豪雨に襲われる地域が増える一方、砂漠化が進む地域も増えることになります。例えば、50年後にアマゾンの熱帯雨林が消滅し、砂漠になってしまうとする予測もあります。
地球温暖化は、北極・南極の氷に影響することはいうまでもありません。地球全体で気温が0.5度上昇すると、北極・南極の両極では1度以上の温暖化が見込まれるといわれています。それだけ両極は地球温暖化の影響を受けやすい地域なのです。もうすでに両極の氷は溶け出しています。例えば南極の氷の10%が溶けると、海水面が5m以上上昇すると予測されています。これはモルジブやバングラディッシュなどの国土が消滅してしまうことを意味しているのです。
海水面の上昇は、日本の国土にも被害を生じさせます。例えば海水面が5m上昇するだけで、山手線から東側が全て水没します。また東京湾の北はさいたま市まで達してしまいます。これは東京湾が現在よりも20km北進することを意味しています。もちろん経済活動に大きな影響が出ることは間違いないでしょう。
地球温暖化による環境変化は、水不足を発生させます。国連によると、2025年には50億人以上が水不足になると予測されています。また干ばつに伴い、穀物などの収穫量が激減すると予測されています。日本は食物のほとんどを輸入に頼っています。つまり地球温暖化が進むと、日本は食料不足になる恐れがあるのです。
地球温暖化を何とか食い止めようと、様々な試みがなされています。例えば温室効果ガス削減の取り組みがあります。例えば京都議定書では、先進国のCO2排出量を5%削減しようとしました。しかしCO2の最大の排出国である米国の賛同を得ることはできず、取り組み自体が不発に終わってしまいました。そもそも温暖化を防止するには、地球全体で60%から80%の温暖化効果ガスの削減が必要です。日本は90%以上も削減しなければならないのです。しかし現在行われている取り組みではたった数%しか削減できていないのが現実です。