オゾン層破壊について知ろう

オゾン層とは、成層圏と呼ばれる上空10kmから50kmに存在するオゾンの層のことです。オゾン層は太陽からの紫外線を吸収する働きがあります。紫外線は生物に有害であるため、オゾン層は地球の生態系を守る働きをしていることになります。またオゾン層には紫外線を吸収することにより、成層圏の空気を温める働きもあります。この働きは地球の気候の安定性に寄与しているとする研究もあります。ちなみに成層圏のオゾンを全て集めて、気温0度の地上に持ってきたとすると、厚さはわずか3mmにしかなりません。つまり少ないオゾンでオゾン層は構成されていることになります。

このオゾン層の破壊が進んでいます。オゾン層の破壊はCFCと呼ばれる特定フロンによって引き起こされます。特定フロンはエアコンやスプレー、冷蔵庫などに使用されていました。先進国では1995年までに特定フロンは全廃となり、現在ではオゾン層へのダメージが少ないHCFCと呼ばれる代替フロンが使用されています。しかし途上国では2010年まで特定フロンが使用されてきました。一旦排出された特定フロンを回収することは不可能です。またフロンは比重が空気より重く、成層圏のオゾン層まで上昇するのは15年ほどかかると考えられています。このため2025年までオゾン層の破壊が進むと考えて間違いないでしょう。

オゾン層が破壊されると、オゾンホールと呼ばれるオゾン層の穴ができます。この穴ができやすい場所が、北極と南極です。例えば2011年に北極で観測史上最大のオゾンホールが観測されました。国立環境研究所によると、このオゾンホールは北極地域で最大80%のオゾンが減少した結果であると予測しています。

オゾンホールができると、人体に大きな影響を及ぼします。紫外線は皮膚のDNAを破壊するからです。DNAが損傷すると、正常な細胞分裂ができなくなります。異常な細胞分裂が行われるようになると、それは皮膚がんの原因になります。実際オゾン層の破壊とともに、皮膚がんを発症する比率は数倍に増加しています。また紫外線は、目に悪影響を及ぼします。近年、白内障を発症する割合が急激に高まっていることも、オゾン層の破壊の影響と考えて良いのかもしれません。

オゾン層破壊から来る紫外線を防ぐには、私たち個人が対策を考える必要があります。例えば、長袖シャツや帽子、サングラスを着用することや、日焼け止めを使用することです。もちろん、古いエアコンや冷蔵庫など、特定フロンを含んだ電化製品を処分する場合は専門業者に委託し、しっかりフロンを回収してもらうことが重要です。

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