森林破壊について

森林破壊は環境問題のなかでも深刻な問題といえます。1年間に減少する森林の面積は、日本の面積の半分とも報告されています。失われた森林のうち半分は荒地になり、やがて砂漠化していきます。もちろん、植林などで森林を増やそうという試みも行われていますが、森林破壊のペースを考えると焼け石に水といえるでしょう。英国政府の研究機関では、50年後にアマゾンの熱帯雨林が全て失われる危険性さえ指摘しているほどです。

森林破壊の主な原因を考えてみましょう。森林破壊が進んでいるのは、主に途上国です。たしかに途上国が焼き畑や燃料として森林を伐採することも少なくありません。しかし、主な原因は途上国でなく先進国にあります。途上国の森林を伐採し、先進国で商業利用しているのです。また、先進国に輸出するための大規模農園を作るため森林を伐採するケースも目立っています。途上国で伐採された木材を使用している先進国で代表的といえるのが日本です。日本は先進国で有数の森林を持ちながら、一方で世界第3位の木材輸入国でもあります。米国やロシア、マレーシアなどから木材を輸入しています。また近年、家具やフローリング材、建築用木材としての輸入が増えているのがカナダです。安価な木材として、中国からの輸入が目立っています。いずれにしても日本は伝統的に木を愛する国民性もあり、世界有数の木材消費国となっているのです。

森林破壊が進むと、地球環境に様々な弊害が出てきます。まず、森林は全ての生物の源ともいえます。食物連鎖を含めた生態系は、全て森林によって支えられています。生態系の底辺を支えているのが土壌中の微生物です。森林の落ち葉や生物の死骸を微生物が分解し、豊かな土壌を作っているのです。森林は、しっかりと張った根で土壌の流出を防いでいます。森は海の恋人ともいわれています。豊かな海の成分は、森林とその土壌で作られているものなのです。森林は天然のダムともいえます。大雨が降ったとしても、森林の根と土壌は水を豊かに蓄え、少しずつ放出することができるのです。また、私たちの呼吸に必須の酸素を生成する点も見逃せません。森林は二酸化炭素を吸収しているため、地球温暖化にも歯止めをかけているのです。

森林破壊を食い止めるためには、木材消費国である日本人の私たちの取り組みが必須です。割り箸を使用しないでマイ箸を持つこと、再生紙を利用すること、過剰包装を断ることなどにより、木材の消費を減らし、森林破壊にストップをかけることができるかもしれません。

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