エネルギー問題について

日本ではエネルギー問題が切実です。日本で使用されるエネルギーはこの40年間で10倍に増加したものの、エネルギー自給率はわずか4%です。つまり消費するエネルギーのほとんどを輸入に頼っていることになります。日本で使用されているエネルギーの大半は、化石エネルギーです。石油などの化石燃料は数十億年をかけて生成されたもので、言うまでもなく限りがあります。採掘方法の進歩とともに、採掘寿命と呼ばれる枯渇までの時間は伸びてきているものの、あと数十年で枯渇することは間違いないでしょう。

石油などの化石エネルギーは様々な場所で利用されています。まず日本の場合、生活に必須の電気はほとんどが石油を使用する火力発電所に依存しています。もちろん自動車に使用されるガソリンも化石エネルギーです。こうして大量消費される化石エネルギーは、環境問題を引き起こしています。例えば、温室効果ガスによる地球温暖化問題です。異常気象、干ばつ、海水面の上昇などがあげられます。加えて、原油から生成されるプラスチック製品などのごみ問題も、環境破壊を促進しています。

環境汚染はもちろん、枯渇まで秒読みに入った化石エネルギーへの依存を解決すべく、化石エネルギー以外のエネルギーを活用する政策を日本政府は行ってきました。しかしエネルギー問題の切り札と思われていた原子力発電は、福島第一原発の事故を受け、今後は縮小する方向に舵を切ることは間違いないでしょう。変わって注目されているのが太陽光発電です。ドイツなどEU各国は早くから太陽光発電を推進してきました。日本でも政府主導のもと、大手企業はメガソーラーと呼ばれる大規模太陽光発電所を建設しています。しかし太陽光発電は効率が悪く、人口の多い都市部のエネルギー問題を解決することは不可能です。また風力発電や地熱発電などの取り組みも行われているものの、依然としてエネルギー問題は解決されていないのが現状です。

こうしたエネルギー問題を解決するためには、どうしたらよいのでしょうか。EU各国の取り組みを見習う必要があるかもしれません。例えば、エネルギーの大量消費をやめることが必要です。スウェーデンは炭素税と呼ばれる税制を採用し、化石エネルギーの消費を削減することに成功しています。フランスは電力を使用しやすい時間の電気料を10倍以上に設定し、エネルギー消費量を抑える政策を採用しています。こうした取り組みを行うことはもちろん必要です。さらに私たち一人ひとりが、自動車のアイドリングストップや節電など、環境にやさしい生活を行うことにより、エネルギー問題を意識していくことも必要でしょう。

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