日本のごみ問題について

環境問題を考えるうえで避けて通れない問題が、ごみ問題です。特に日本ではごみ問題が深刻です。というのは、日本はごみ問題が世界で一番深刻な国だからです。まずごみを燃やす焼却炉の数で考えてみましょう。日本には1,200以上の焼却炉が存在します。米国が約350、ドイツが約150、イギリスが約50ですから、日本の焼却炉の数が突出して多いことがわかると思います。もちろん、日本人はごみの排出量も多いのです。日本人一人あたりのごみの焼却量は、年間300kg以上です。ドイツが約150kg、米国が約100kg、イギリスが50kgですから、日本人は大量のごみを出す傾向があると考えてよいでしょう。ごみを燃やせば、それだけダイオキシンなどの有害物資が発生します。かといって埋め立てを行えば、土壌汚染などの環境汚染となってしまいます、このため国は苦肉の策として家電リサイクル法などを定め、ごみを減らす取り組みを行なっています。

しかし法に基づいたリサイクルは、機能していないのが現状です。例えば回収されたペットボトルを、再生するためにはコストがかかりすぎてしまいます。このため、リサイクルせずに中国などに輸出されていることが大半です。また、家電リサイクルも機能していません。欧米では、家電リサイクルの方法としてデポジット制度を採用しています。リサイクルすれば、予め預けていたお金が返ってくるシステムです。一方、日本の家電リサイクルは、リサイクルする際にお金を支払うシステムです。このため支払いを逃れようと家電品の不法投棄が増えているのです。

このように考えてみると、ごみ問題を解決するためには国や行政の力では不十分だということが理解できると思います。私たち一人ひとりが、ごみ問題を意識する必要があります。例えば、リデュースを行うことができます。リデュースとはごみを減らす取り組みのことです。具体的には、買い物袋を利用することや過剰包装を断ることがあげられるでしょう。また使い捨ての割り箸や紙皿、食品トレイなどを避けることによってもリデュースを行うことができます。

リユース(再利用)を意識すると、さらにごみ問題に効果があります。買い物の際に再利用しやすいものを購入するのです。例えばビールを買う時に、缶ビールではなく瓶ビールを選んでみるのはいかがでしょうか。缶ビールに使用されているアルミ缶はリサイクルを行う必要があります。しかし瓶ビールに使用されている瓶は、回収後は洗浄され再利用されるため、よりごみが出にくいのです。小さな心がけかもしれませんが、ごみ問題に大きな変化を与えるためには必要なことなのです。

コメントを残す

サブコンテンツ

このページの先頭へ